B2-怪談野ざらし


B2-怪談野ざらし
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ある夜、八五郎が長屋で寝ていると、隣の女嫌
いで知られた浪人・尾形清十郎の部屋から女の
声が聞こえてくる。
翌朝、八五郎は、尾形宅に飛び込み、事の真相
をただす。尾形はとぼけてみせるが、八五郎に
「ノミで壁に穴開けて、のぞいた」と明かされ、
呆れたと同時に観念して、「あれは、この世のも
のではない。向島(隅田川)で魚釣りをした帰
りに、野ざらしのしゃれこうべ(=頭蓋骨)を
見つけ、哀れに思ってそれに酒を振りかけ、手
向けの一句を詠むなど、ねんごろに供養したと
ころ、何とその骨の幽霊がお礼に来てくれた」
と語る。それを聞いた八五郎は興奮した様子で
「あんな美人が来てくれるなら、幽霊だってか
まわねえ」と叫び、尾形の釣り道具を借り、酒
を買って向島へ向かった。

八五郎は橋の上から、岸に居並ぶ釣り客を見て、
骨釣りの先客で満ちていると勘違いし、「骨は釣
れるか? 新造(しんぞ=未婚の女性)か? 年増
(としま)か?」と釣り客に叫び、首をかしげら
れる。
釣り場所を確保した八五郎は、釣り糸を垂らし
つつ、「サイサイ節」をうなりながら、女の来訪
を妄想するひとり語りに没頭しはじめる。

鐘が ボンとなりゃあサ
上げ潮 南サ
カラスがパッと出りゃ コラサノサ
骨(こつ)がある サーイサイ
そのまた骨にサ
酒をば かけてサ
骨がべべ(=着物)着て コラサノサ
礼に来る サーイサイ
ソラ スチャラカチャンたらスチャラカチャン

そのうちに、自分の鼻に釣り針を引っかけ、
「こんな物が付いてるからいけねぇんだ。取っちま
え」と、釣り針を川に放り込んでしまう。八五郎は
釣りをあきらめ、アシの間を手でかきわけて骨を探
すことにし、なんとか骨を見つけ出すことに成功す
る。八五郎はふくべの酒を全部それにかけ、自宅の
住所を言い聞かせ、「今晩きっとそこに来てくれ」と
願う。この様子を、近くの川面に浮かぶ屋形船の中
で聞いていた幇間の新朝(しんちょう)は、八五郎
が普通の生きている女とデートの約束をしていると
勘違いし、仕事欲しさで八五郎宅に乗り込む。

女の幽霊が来ると期待していた八五郎は、新朝を見
て驚き、「誰だ」とたずねる。「あたしァ、シンチョ
ウって幇間(タイコ)」

「何、新町(=浅草新町)の太鼓? ああ、あれは馬
の骨だったか」(浅草新町には、かつて多くの太鼓
屋が立ち並んでいた。かつて和太鼓にはウマの皮が
用いられていた。「馬の骨」とは、素性のはっきり
しない人物のたとえ)

日本と付き合うと馬鹿が移るぞ 国交永久断絶


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